2003年問題
【にせんさんねんもんだい】
新築ビルの供給過多によって空室率が増加すること
2003年から新築ビルの大量供給が始まる一方、借り手が少なく需要が伸び悩むこと。空室率の増加とともに賃貸料が下落するなど、不動産業界では苦戦が予想されている。
ビルのような大型建造物は、建築の計画から完成までに多くの年月がかかるので、需要の予測が難しい。ちょうど2003年には、新築ビルの供給量が1990年代以降のピークとなる見込みで、大規模なオフィスビルの建設ラッシュが東京都内を中心に進んでいる。
一方、賃貸ビルの借り手は、このところの景気停滞を背景にして、入居希望の需要は少ない状態だ。特に、一時は成長が見込まれていたIT関連企業の多くがオフィスビルから退去したり増床をあきらめる例が相次ぎ、不動産業界にとってはテナントの借り手が見つからないという苦戦を強いられることになる。
オフィスビルの空室率が悪化すれば、不動産物件の回転が鈍り、地価にも影響を与える。さらに、銀行など金融機関の不良債権が増えることも懸念材料だ。
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