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クローン
【くろーん】


ギリシア語で「小枝」を意味し、植物学で使われはじめた

クローン」はギリシア語で「小枝」を意味する一本の枝から生える小枝は、何本あっても遺伝的に同じであるということから、一九〇三年に生物学者のH・J・ウェッバー提唱したとされている。もともとは植物学で使われていた言葉で、イモの親株子株一部になるように生殖によって生まれ子孫や、挿し木で増やしたブドウの木などをさしていた。現在では、これを動物に対して使い、もとのものとまったく同じ遺伝情報持つものをクローン呼んでいる。一九一年スイスアメリカ科学者が三匹のクローンマウス誕生させ、これが哺乳類クローン第一号となった。五年後の一九九六年にはイギリスクローン羊の「ドリー」が誕生、さらにその翌年にはアメリカクローン牛誕生した。日本でも一九九八年にクローン牛誕生している。こうした動物のクローンをつくるようになった大きな目的は、家畜優良品種大量生産することにあった。しかし一九九六年にはアメリカ霊長類研究センタークローン猿まで誕生世界初の霊長類クローンであり、いよいよ人間のクローン誕生間近に迫ってきたと感じさせた。だが実はクローン誕生より前の一九九三年にヒトクローン受精卵がすでに培養されていた(培養確認された段階破棄されている)。ちなみに自然界には、人工的にではなく、自然にクローン生まれることもある。それが一卵性双生児だ。一卵性双生児は、受精卵が妊娠中に二つに分かれ、それぞれが成長して生まれてきた双子。なぜ受精卵が二つに分かれてしまうのかは解明されていないが、自然分娩であっても一卵性双生児生まれる確率は一〇〇〇組に四組という。一卵性の場合外見が似ているだけにとどまらず、遺伝子情報がまったく同じであり、つまりクローンなのだ。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820263