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美術館
【びじゅつかん】


なぜ日本の美術館には、撮影禁止のところが多いのか?

外国大きな美術館博物館に行ったことはあるだろうか。絵画作品前に日本のような物々しいロープや入っていけないゾーンなどは少なく、気軽絵画間近鑑賞ができる。そして、何よりも驚くのは、世界的有名な絵画の前でバシバシ記念写真を撮っている人たちまでいることである。もちろんストロボなしでの撮影になるが、ルーブル美術館ニューヨーク近代美術館も、モネでもダリでも撮影することができるだろう(ただし、カメラの持ち込みには別途料金設けられている場合がある)。さて、日本ではどうだろうか。たとえば上野の森美術館では、ロープ仕切りなどで作品近寄ることもしづらいうえに、もちろん撮影フラッシュなしでも全館禁止である。日本では、撮影禁止当たり前感覚になっていて、館内ではカメラはしまってしまうのが普通になっている。外国の、しかも超有名な美術館撮影許可されているのに、なぜ日本ではダメなのだろうか。絵画工芸品の場合強い光を浴びることで作品劣化や色褪せなどが問題にされて、それで撮影許可がおりないのかと思ってしまうが、とある美術館理由を尋ねてみたところ、「昔、写真を撮るときの光源としてマグネシウム発光させていましたが、それが火災原因になる恐れがあったためです」とのことだ。さらに、最近では著作権問題があり、勝手ポストカードをつくられたり、著作権侵害になる作品をつくられてしまうことを防ぐためだという。後者理由ならまだしも、ストロボ撮影禁止理由が昔のことだったとは少々意外だ。しかし、たとえば版権切れ作品一般の記念撮影美術館紹介のため、または学生研究材料などの場合は、理由申請して許可得れば、撮影可能になる場合がある。また、フラッシュなしの撮影であれば、美術館によっては撮影許可されているケースも、ここ最近ずい分増えてきたという。おおむね古くからある美術館のほうが、昔の習慣そのままに撮影禁止場合多いようである。




東京書籍
「雑学大全2」
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