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ビル風
【びるかぜ】


四方八方から吹いてくる「ビル風」の正体

マンションが隣立しているあたりで、「今日は風が強い寒い」と厚着をして出かけてみると、いざ目的地に行ったとたん、風もないし日当たりもよくてぽかぽかしていたという経験はないだろうか。ビルがなければほとんど強い風がないのに、ビル周りにだけ風が吹く。これが「ビル風」である。ビル風は、もともと吹いてきた風が高層ビルに遮られて行き場失うこと起きる。このとき、風は上下左右に分かれて吹くのだが、その風はおもに、①ビル乗り越え吹く風、②ビルの脇を回って吹く風、③ビル反射して戻ってくる風の三種類となって拡大していく。通常はそのビル二倍程度高さまで風の範囲乱れて、その分、そこから吹き降りてくるので強さ増してしまう。ビルの脇を回って吹く風は、ビルビルの間の谷間的な通り道吹き抜けるため、マンション風通りなどと一緒で、幅が狭まる一気に風速増して強い風になってしまう。また、ビルが隣立するようなところでは、壁面との摩擦もあり、空気の渦を発生させることが多いので、予測不可能な強い風となることもある。一方向からではなく、前方から吹いてきた風が、ぐるっと巻くようになったり、またその後で、すぐ後からも風が来たりする場合は、とくにビル風である可能性高いのである。マンション建設の際に、日照権には厳しく規定が決められており、ビル建設日照が悪くなる場合などは保証もされることもあるのだが、風は結構迷惑なのにそこまで厳しく規定されてはいない。実際には、かなり生活支障をきたす場合もある。そのため、最近ではビル構造ビル風が起きにくい下が膨れている形を採用したり、道路植え込みをつくることで多少解消しようとしたりする動きが見られている。




東京書籍
「雑学大全2」
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