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フェルメール
【ふぇるめーる】


子育てで忙しく、生涯で三〇点しか描けなかった画家

一七世紀オランダ絵画代表する画家ヨハネス・フェルメール市民日常を何気なく描いた彼の室内風俗画は、やわらかい光と独特の構図特徴で、世界中ファン多いファン引きつける魅力一つに、作品の少なさという神秘性もあるのかもしれない。現在彼の作品とされている作品世界中に約三〇点しかないのだ。フェルメールは、一六二年オランダデルフト生まれた。父の死後彼の美術商仕事を引き継いだとされる。彼の作品少ない理由一つとして、絵は親しい人物からの依頼で描いていたもので、画家としてよりも美術商として生計をたてていたのではないかというものがある。彼には、収入不安定な画家として絵だけを描いてはいられない理由があったのだ。一六五三年に画家組合入会後、彼はハウ出身のカタリーナ・ボルネスと結婚二人子宝に恵まれ、なんと一一人の子どもを抱えることとなった。彼らの養育費を稼がなくてはならなかったため、フェルメール創作活動没頭することができなかったのかもしれない。フェルメール一六七五年にデルフト死去。その直後フェルメール家は破産し、彼の作品含む多くの美術品は売りに出されてしまった。極度の寡作ということもあり、その後フェルメールの名は美術界ですっかり忘れ去られてしまうこととなってしまった。いまでこそ不動人気誇る彼が、再び世界注目されるようになるのは、フランス批評家トレが彼の作品再発見する一八六六年。没後二〇〇年近く経ってからのことであった。




東京書籍
「雑学大全2」
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