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レントゲン
【れんとげん】


大発見後、人間嫌いになってしまった物理学者

ドイツ物理学者ヴィルヘルム・レントゲンX線発見者で、X線代名詞ともなる。一八九五年、同大学陰極線ガラス透過実験中、九〇センチ離れたところにあった蛍光紙が光るのに気づいたのがきっかけで、蛍光紙を光らせている未知の放射線存在と、その放射線物質透過性にすぐれ、写真作用持つことを突き止めて「X線」と命名した。一八九六年、論文に、夫人の手や木箱のなかの分銅などの透過写真を添えて発表すると、ドイツ皇帝ウィルヘル二世から祝電講演依頼が届き、皇帝皇后の前で講演一九一年、この発見により第一ノーベル物理学賞を受賞した。大発見をしてノーベル物理学賞の栄冠に輝いたレントゲンだが、彼は授賞式でスピーチもせず、さっさと帰国してしまった。ノーベル賞授賞式でこんなそっけない態度をとったのは、彼ぐらいのものではなかろうか。また、X線発見直後様々な講演依頼問い合わせ手紙殺到したが、彼はウィルヘル二世依頼されての御前講演以外はほぼすべて断った。大勢聴衆の前でおこなった講演となると、ビュルツブル大学での講演だけである。このただ一度講演のとき、出席者からX線を「レントゲン線」と呼ぶ提案が出されたり、ヨーロッパ各地通り名前に「レントゲン通り」ができたりしたが、彼はそれも嫌がった。なぜか──。レントゲンは、X線発見後、人間嫌いになって自宅引きこもり世捨て人のようになってしまったという。その原因は、彼の名声を妬んだ人々の中傷にあった。陰極線実験のときには協力してくれた研究者が、「自分が先にX線発見した」といい出すなど、中傷重なるうち、すっかり人間嫌いになってしまったのだ。




東京書籍
「雑学大全2」
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