クローン
【くろーん】

clone
もともとは、単一細胞から分裂増殖した細胞集団を意味したが、類似するという意味で、一般的に幅広く使われる。(1)組み換えDNA技術によって得られた多数の特定DNA断片をDNAクローンと呼び、これを得ることをクローン化(クローニング)という。特定の遺伝子DNAを増幅させた場合は、遺伝子クローン、遺伝子クローニングという。(2)ウイルスは細胞内で増殖するが、1個のウイルス粒子に由来する子孫の集団をクローンと呼ぶ。(3)細胞培養において、1個の細胞に由来する細胞集団をクローンと呼ぶ。(4)個体では、無性的な生殖で増えた個体をクローンと呼び、遺伝的な構成(全遺伝子)が同一である。植物ではクローン個体は容易に得られ、挿し木や取り木などによって栄養繁殖的に生じた個体はクローンである。細胞培養や組織培養によっても多数の植物体を成長させることができ、これらもクローンである。動物では、受精卵クローンと体細胞クローンのクローン個体が作製されている。

![]() | 朝日新聞社 「知恵蔵2009」 JLogosID : 14825202 |