ICC
International Criminal Court
非人道的な戦争犯罪など、国際社会にとって深刻な犯罪を裁くための常設の国際裁判所。1998年7月、ローマでその設立のための条約(ローマ規定)が採択された。2002年7月1日に発効、史上初めて常設の国際刑事裁判所がオランダ・ハーグに誕生した。随時のものとしてはこれまで、第2次世界大戦後のニュルンベルク国際軍事裁判所と極東国際軍事裁判所、近年の旧ユーゴ国際戦争犯罪法廷とルワンダ国際戦争犯罪法廷の4つがあった。新裁判所が取り扱うことのできる犯罪は、(1)集団殺害(ジェノサイド)、(2)人道に対する罪(拷問や奴隷化など)、(3)戦争犯罪、(4)侵略(ただしその定義は今後決める)の4種類。06年8月現在、すでに4件の申し立てがなされ、うち2件は訴訟が始まっている(いずれもアフリカ諸国関連)。発効直前に署名を撤回した米国は、一方で米国兵士をICCに引き渡さないとする二国間協定を同盟各国と結び、他方で国連平和維持活動に参加した米国兵士をICCの訴追対象からはずす安保理決議を採択させてきた。しかし国際社会の反発と批判は強く、04年6月に米国はこの米兵免責延長を求める安保理決議案の提出を断念した。日本は署名も批准もしていない。
| 朝日新聞社 「知恵蔵2009」 JLogosID : 14845798 |