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NHK


 1950年6月に施行された放送法基づく特殊法人放送法第7条で、公共の福祉のために日本全国で受信できるよう放送を行うことが目的とされている。前身の社団法人日本放送協会は、25年3月に日本初のラジオ放送を開始した社団法人東京放送局と同大阪放送局、同名古屋放送局を統合して26年に発足した。その後、各地に放送局が置かれ、ラジオ国民生活に浸透した半面、戦時下で国家総動員のための宣伝装置として利用されることにもなった。戦後はGHQ(連合国総司令部)の民主化政策の一環として放送制度改革が進められ、NHKは日本で唯一の公共放送として53年2月にテレビ放送を開始し、受信機を置いた世帯が支払う受信料を財源に、新たな放送サービスの普及・発展の先導的役割を果たしてきた。2006年現在、テレビは地上波が総合と教育の2波、衛星がアナログデジタルのそれぞれ2波で同様の内容を流すほか、ハイビジョン放送も行っている。ラジオはAM2波とFMの計3波。また、テレビラジオ国際放送のほか、文字多重放送音声多重放送も提供している。経営の最高責任は、国会の承認を得て内閣総理大臣が委員を任命する経営委員会にあり、経営委員会が会長を任命する。現会長は技術出身の橋本元一。前任の海老沢勝二が一連の不祥事を受けて05年1月に辞任した後を受けた。毎年度の予算・決算は国会の承認事項で、NHKと政治の関係が常に問題視される要因にもなってきた。06年度の予算は事業収入、支出ともに6217億円。不祥事による受信料収入の大幅減収が響いている。




朝日新聞社
「知恵蔵2009」
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