高齢者虐待

elder abuse
広義には、高齢者に対する虐待行為全般を指すが、狭義では、認知症や身体障害などで介護が必要な高齢者に対する家庭内での虐待行為を指す。内容は、殴る蹴るなどの物理的虐待、ひどい言葉をかけるなどの心理的虐待から、わざと世話をしないといったネグレクト(neglect=介護放棄)などがある。長寿化により介護が長期化し、家族の負担が限界に達している中で、高齢者虐待が増大していると考えられている。厚生労働省が、2003年にケアマネジャー等を対象に行った調査によると、被虐待者は平均81.6歳で、4分の3が女性であり、10人に1人は生命に危険が及ぶほどの危害を受けていること、加害者は被害者の息子が32%を占めていることなどが明らかになった。

![]() | 朝日新聞社 「知恵蔵2009」 JLogosID : 14848629 |