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ウイルス肝炎


viral hepatitis

 A型、B型、C型、D型、E型、G型などが知られている。A型肝炎はいわゆる流行性肝炎で、A型肝炎ウイルスによって起こる潜伏期は15~45日、経口感染によってうつる。急激に発症して38℃前後の熱が続き、全身倦怠感吐き気、嘔吐、黄疸(おうだん)を伴う。秋から冬に多いなどの特徴がある。B型肝炎はB型肝炎ウイルスが原因で、潜伏期は50~180日。輸血、母子感染などが原因となる。ワクチンの効果で母子感染は急激に低下した。疲労感、吐き気、嘔吐、黄疸などの症状がある。時には発疹、関節炎糸球体腎炎が見られる。B型肝炎は慢性化しやすく、肝硬変、肝がんに進む可能性がある。C型肝炎は、日本人の約2%がC型肝炎ウイルスを保有し、国内に90万人の患者がいると推定されている。特徴は、慢性化しやすく、肝硬変や肝がんに移行しやすいこと。肝がんの60%がC型によるといわれている。感染の多くは、輸血、非加熱血液製剤の投与などの医療行為による。治療にはインターフェロンと抗ウイルス薬リバビリンとの併用療法が試みられている。D型肝炎は血清肝炎で、E型肝炎はA型と同じ流行性肝炎




朝日新聞社
「知恵蔵2009」
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