醸造酒

醸造酒果実や穀物を原料に発酵させて造るアルコール飲料。
▼ワイン(wine) ブドウを原料とする醸造酒。ヴィンテージ(ブドウの収穫年、当たり年)や銘産地(ボルドー、ブルゴーニュなど)の格付を記した高級ワインから、廉価なテーブルワインまで様々。
▼発泡性ワイン(スパークリング・ワイン)(sparkling wine) 代表格がフランスのシャンパン(champagne)で、特定のブドウ栽培地域と銘柄に許された名。他地方産は発泡性ワイン(ヴァン・ムスー=vin mousseux)という。
▼シェリー/ポルト(sherry/Porto) シェリーはスペイン、ポルトはポルトガルの酒精強化ワイン(別のアルコールを加え風味を出す)。
▼ビール(beer) 麦芽やホップなどが原料の発酵酒。酒税法では麦芽使用比率67%以上をビール、67%未満は発泡酒(出回るのは大体25%未満)、麦芽以外の原料を第3のビールと呼ぶ。
▼吟醸酒 酒米(酒造好適米)を重量の60%以下になるまで精米し(大吟醸は50%以下、通常の日本酒は70%程度)、全工程を熟練の杜氏によって低温醸造される酒。
▼黄酒(ホワンチュウ) 米やキビなどが原料の中国酒。古酒は老酒(ラオチュウ)ともいう。浙江省の紹興酒が有名。
蒸留酒醸造酒を蒸留し、そのエキス(主にアルコール分)を抽出した酒。別名スピリッツ(ただし酒税法ではウイスキー・焼酎・ブランデー・リキュールはスピリッツと別扱い)。
▼ウイスキー(whiskey〈英〉/whisky〈米〉) 発祥地スコットランドで大麦麦芽を発酵、ピート(草泥)と石炭で燻煙乾燥させ、水を加え何度も蒸留し熟成させるのがモルト・ウイスキー(malt whiskey)。小麦やトウモロコシを使うのがグレン・ウイスキー(grain whiskey)で、米国のバーボン・ウイスキー(bourbon whisky)も有名。
▼焼酎 原料や製法により乙類(サツマイモ、麦、米、蕎麦などが原料で酒税法の定めるアルコール度数は45度以下)と甲類(砂糖キビ製糖の副産物の粗留アルコールが原料で36度未満)がある。よく似た蒸留酒に米と黒麹菌から造る沖縄の泡盛、それを3年以上熟成させた古酒(クース)がある。
▼ブランデー(brandy) ブドウを原料とする蒸留酒。代表格は南フランス産のコニャック(cognac)。
▼ジン/ウオツカ(gin/vodka) 麦類やトウモロコシが原料の蒸留酒。ジンはオランダ産でコリアンダーの実やオレンジの皮などで風味を加え、ウオツカはロシア産で無色透明に仕上げる。
▼ラム(rum〈英〉/rhum〈仏〉) 砂糖キビの糖蜜を発酵させて造る熱帯地方特産の蒸留酒。ホワイト、ゴールド、ダークに分類される。
▼リキュール(liqueur) 蒸留酒にフルーツやスパイスなどを加えた酒。カンパリ、コアントロー、カルーワなど。

![]() | 朝日新聞社 「知恵蔵2009」 JLogosID : 14848983 |