ヒト属
【ヒトゾク】

Humans
チンパンジーとの共通祖先より後の全ての進化段階の人類を含む分類群を、ヒト科とするか、それより下位のヒト族とするかは見解が分かれる。両者とも、いわゆる猿人にあたるサヘラントロプス属(サヘル地域の人)、オロリン属(最初の人)、アルディピテクス属(地上のサル)、アウストラロピテクス属(南のサル)、パラントロプス属(副人)、ケニアントロプス属(ケニア人)と、いわゆる原人・旧人・新人にあたるヒト(ホモ)属を含む。ヒト属はホモ・ハビリス(器用な)、ホモ・ルドルフェンシス(ルドルフ湖の)、ホモ・エルガステル(働く)、ホモ・エレクトス(直立した)、ホモ・アンテセソール(開拓者)、ホモ・ハイデルベルゲンシス(ハイデルベルク市)、ホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデル谷)、ホモ・フロレシエンシス(フローレス島)、ホモ・サピエンス(賢い)の9種を含む。現生のヒト(種)はホモ・サピエンスである。ヒト科(族)の共通特徴は直立二足歩行と犬歯の退化であり、ヒト属の特徴は、ホモ・フロレシエンシスでは例外もあるが、長い脚による二足歩行の完成、器用に動く手指、小さな顔と歯、大きな脳、成長の長期化、道具の製作と使用。ヒト(種)の特徴は抽象的な思考能力と言語の発達であり、それらが今日の文化を築いた。

![]() | 朝日新聞社 「知恵蔵2009」 JLogosID : 4395614 |