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ナンバープレート①
【なんばーぷれーと】


車のナンバープレート、地名は何種類あるか?

日本国中には七〇〇〇万台以上もの自動車が走っているが、その一台一台にナンバープレート(自動車登録番号標)がつけられている。車を特定するために必要不可欠なもので、このナンバープレートを装着しなければ、道路上を走ることはできない。
ナンバープレートは、所轄陸運支局および自動車検査登録事務所を標示する文字、車種別分類番号を表示する三桁以下のアラビア数字、平仮名の整理文字、四桁のアラビア数字から構成されている。最も興味をそそられるのが、所轄陸運支局および自動車検査登録事務所を表わす文字、すなわち地名ではないだろうか。特に遠い地方の車のナンバープレートに出合ったときなどは、遠くからよく来たね、などと思わず声をかけたくなってしまうものである。
地名は陸運支局および自動車検査登録事務所が所在する都市を表わしているものと思われがちだが、実はそうではなく、陸運支局および自動車検査登録事務所の「名称」を表示したものなのである。
たとえば「札幌」は札幌陸運支局の、「宮城」は宮城陸運支局の、「湘南」は湘南自動車検査登録事務所の頭文字を表示したものであって、所在地の都市名を表わしているわけではない。
全国には八七種類のナンバープレートがある(平成一三年現在)。最も多くのナンバープレートを有しているのは北海道で、札幌、函館、旭川、室蘭、帯広、釧路、北見の七種類がある。次いで多いのが東京で、五種類(品川、足立、練馬、八王子、多摩)を有し、四種類あるのは埼玉(大宮、熊谷、所沢、春日部)、神奈川(横浜、川崎、相模、湘南)、千葉(千葉、習志野、袖ヶ浦、野田)、愛知(名古屋、三河、尾張小牧、豊橋)、福岡(福岡、北九州、久留米、筑豊)の五県。三種類は静岡(静岡、浜松、沼津)、大阪(大阪、なにわ、和泉)の二府県、二種類は青森(青森、八戸)、山形(山形、庄内)、福島(福島、いわき)、茨城(水戸、土浦)、栃木(宇都宮、とちぎ)、新潟(新潟、長岡)、長野(長野、松本)、岐阜(岐阜、飛騨)、兵庫(神戸、姫路)、広島(広島、福山)、長崎(長崎、佐世保)の一一県、あとの県は一種類で統一されている。
陸運支局が住民サービスのために、県内に自動車検査登録事務所を設ける場合は、混同を避けるために、陸運支局の管轄区域のナンバープレートには所在都市を表示している。たとえば、神奈川陸運支局は「神奈川」ではなく「横浜」を、埼玉陸運支局が「大宮」、愛知陸運支局が「名古屋」、兵庫陸運支局が「神戸」というようにである。また、東京陸運支局は所在地の区名の「品川」を表示している。
ところが、大阪陸運支局だけは例外である。大阪陸運支局は大阪市ではなく、寝屋川市にある。なのに「寝屋川」ナンバーではなく、「大阪」を表示していた。そのため、大阪市に陸運支局の支所である自動車検査登録事務所を設けた際に、混乱を防ぐためになにわ自動車検査登録事務所という名称にしたのである。




日本実業出版社
「道と路がわかる事典」
JLogosID : 5060149