端近し
【はし-ぢか・し】
[形][ク](く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ
((「はしちかし」ともいう))家の中で、外に近い所である。寝殿造りでは廂(ひさし)の間(ま)にいる状態をいう。
[例]「八月十よ日の月あかき夜、右近の内侍(ないし)に琵琶(びは)ひかせて、はしちかくおはします」〈枕草子・職におはします頃〉
[訳]「陰暦八月十日過ぎの月の明るい夜、右近の内侍に琵琶を弾かせて、(中宮は)外に近い所にいらっしゃる」
 | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5071590 |