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ほととぎす 鳴きつる後(あと)に 呆(あき)れたる 後徳大寺(ごとくだいじ)の 有明(ありあけ)の顔
【ほととぎすなきつるあとに】


〔〔狂歌〕〕〈万代(まんだい)狂歌集・四方赤良(よものあから)〉
[訳]「ほととぎすが鳴いた後に、その方向をあわてて眺めてみたがほととぎすは見えず、むなしく呆然(ぼうぜん)としている後徳大寺の有り明けの月に照らされた顔だけが残されている」
<参考>後徳大寺は、後徳大寺左大臣藤原実定(さねさだ)のこと。実定の和歌「◎ほととぎす鳴きつる方を眺むればただ有明の月ぞ残れる」〈千載・夏・一六一〉を本歌とし、作者の姿を滑稽(こっけい)化した。四方赤良は、大田南畝(おおたなんぽ)の狂歌での名。→ほととぎすなきつるかたを…〔〔和歌〕〕




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5073054