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如何
【いか-が】


[副]

《疑問》どのように…か。→[1]
《反語》どうして…か(いや、…ない)。→[2]
《相手の意向》どうか。どうであろうか。→[3]
《ためらい・非難など》どうだろうか。どうしたものか。→[4]
《程度・状態》どんなにまあ。どれほど。→[5]
副詞「いかに」に係助詞「か」が付いた「いかにか」が語源。撥音便化して「いかんが」となり、さらに転じて「いかが」となる。本来係助詞を含んでいたことから、結びの語の活用形は連体形となる。


[1](疑問を表して)どのように…か。どう…か。
[例]「『我をばいかが見る』と仰せらる」〈枕草子・関白殿、二月二十一日に〉
[訳]「『私をどのように見ます』とおっしゃる」
[2](反語を表して)どうして…か(いや、…ない)。
[例]「おのれと枯るるだにこそあるを、名残なく、いかが取り捨つべき」〈徒然・一三八〉
[訳]「自然と枯れるのでさえとても名残惜しいものなのに、心残りもなく、どうして(祭りのあとに残った葵(あおい)を)取り捨ててよいものか(いや、よくない)
[3](相手の意向を尋ねて)どうか。どうであろうか。
[例]いかが。日の重なるままに、いみじくなん」〈落窪・二〉
[訳]「(あなたのごようすは)どうであろうか。日がたつにつれて、いっそう恋しさが増す」
[4](ためらい・非難・心配・危ぶむ気持ちを表して)どうだろうか。どうしたものか。
[例]「たやすくうち出(い)でんもいかがとためらひけるを」〈徒然・二三一〉
[訳]「軽々しく口に出すのもどうだろうかとためらっていたところ」
[5](程度や状態のはなはだしいようすを表して)どんなにまあ。どれほど。
[例]いかが、人笑へならむ」〈蜻蛉・中〉
[訳]どんなにまあ、人に笑われることだろう」




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5073820