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痛む・傷む
【いた・む】


<一>[自][マ四]<二>[他][マ下二]<一>ま/み/む/む/め/め<二>め/め/む/むる/むれ/めよ

<一>


[1](肉体に)痛みを感じる。
[例]「矢(いたやぐし)の瘡(きず)いたみますこと甚だし」〈書紀・神武〉
[訳]「突き刺さった矢の傷がお痛みになることは、はなはだしい」
[2](精神に)痛みを感じる。悲しむ。嘆く。
[例]「◎有間皇子(ありまのみこ)自らいたみて松が枝(え)を結ぶ歌」〈万葉・二・一四一・題詞〉
[訳]「◎有間皇子が自ら悲しんで、松の枝を結ぶ歌」
<参考>用例は、古代人が木の枝や草を結んで幸運を祈る風習があったことから。
[3](物や体に)傷がつく。傷つく。損なわれる。
[例]「ふたたび実なる木は、その根必ずいたむ」〈平家・二・烽火之沙汰〉
[訳]「(一年に)二度実がなる木は、その根が必ず損なわれる
[4]迷惑がる。いやがる。
[例]「いたういたむ人の、しひられて少し飲みたるも、いとよし」〈徒然・一七五〉
[訳]「(酒を)ひどくいやがる人が、無理に勧められて少し飲んでいるのも、たいへん好ましい」
<二>
[1](肉体や精神に)痛みを感じさせる。痛めつける。
[例]「足手をはさみ、さまざまにいため問ふ」〈平家・二・西光被斬〉
[訳]「(西光(さいこう)法師の)足や手をはさみ、いろいろな方法で痛めつけ問いただす」
[2](物や体に)傷をつける。傷つける。損なう。
[例]「生けるものを殺し、いため、闘はしめて遊び楽しまん人は」〈徒然・一二八〉
[訳]「生きているものを殺し、傷つけ、闘わせて遊び楽しむような人は」




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5074129