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風吹けば 落つるもみぢ葉 水清み 散らぬ影さへ 底に見えつつ
【かぜふけばおつるもみぢば】


〔〔和歌〕〕〈古今・秋下・三〇四・凡河内躬恒(おほしかふちのみつね)〉
[訳]「風が吹いてくると、散り落ちたもみじの葉は池に浮かび、水が澄んでいるので、散らずに残っている葉の影までが水底に映って見えることだ」
<参考>池に散りかかるもみじを見ての歌。水面に落ちた葉のみならず、枝に散り残っている葉も水底にあるかのように見えるさまを詠む。木の枝のもみじ、水面のもみじ、水底に見えるもみじの影が華麗な映像美を形成する。さらに空中に散りかかるもみじとその影を加えれば、より複雑多彩となる。




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5075468