聞こえ合はす
【きこえ-あは・す】

[他][サ下二]せ/せ/す/する/すれ/せよ
きこえ-あは・す【聞こえ合はす】(―アワス)(「言ひ合はす」の謙譲語)[1]互いに申し上げ合う。互いに考えを申し上げ合う。
[例]「御中いとよくおはしければ、よろづのまつりごときこえあはせてぞせさせ給ひける」〈栄花・花山たづぬる中納言〉
[訳]「(右大臣藤原頼忠と関白藤原兼通は)たいそう仲よしでいらっしゃったので、政治全般を互いに考えを申し上げ合って行われた」
[2]ご相談申し上げる。
[例]「言少(ことずく)なに、世の人に似ぬ御あはひにて、かひなき世の物語をだにえきこえあはせ給はず」〈源氏・蓬生〉
[訳]「口数少なく、世間並みでないごきょうだい(=兄と妹)の仲なので、(末摘花(すえつむはな)は)貧乏暮らしのぐちさえも(兄に)ご相談申し上げなさることができない」

![]() | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5076730 |