眠る・睡る
【ねぶ・る】

[自][ラ四]ら/り/る/る/れ/れ
[1]ねむる。
[例]「かく危ふき枝の上にて、安き心ありてねぶるらんよ」〈徒然・四一〉
[訳]「あんな危ない枝の上で、安心してねむっているらしいよ」
[2]目をつぶる。
[例]「竹取の翁(おきな)、さばかり語らひつるが、さすがに覚えて、ねぶりをり」〈竹取・蓬莱の玉の枝〉
[訳]「竹取の翁は、(くらもちの皇子と)あれほど語りあったことが、それでもやはり(うそだったと)思われて(気まずくなり)、目をつぶって座っている」
<参考>「ねぶる」「寝(ぬ)」はともに睡眠状態にあることを表すが、「ねぶる」は眠っていなくても単に目を閉じることにも使用する。一方、「寝」は眠っていなくても横たわっている意にも用いる。

![]() | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5081500 |