起こる
【おこ・る】

[自][ラ四]ら/り/る/る/れ/れ
[1]物事が始まる。また、新たに生じる。
[例]「◎あらかねの地(つち)にしては、素戔嗚尊(すさのをのみこと)よりぞ、おこりける」〈古今・仮名序〉
[訳]「◎地上では、(和歌は)素戔嗚尊から、始まったのだ」
<参考>「あらかねの」は「地」にかかる枕詞。
[2]病気にかかる。発作が起こる。また、病気がはやる。
[例]「こよひ、船君(ふなぎみ)、例のやまひおこりて、いたく悩む」〈土佐・二月八日〉
[訳]「今夜、船旅の主人が、いつもの病気にかかって、ひどく苦しむ」
[3]勢いが盛んになる。
[例]「皇軍(みいくさ)またおこることあたはず」〈書紀・神武〉
[訳]「皇軍は再び勢いが盛んになることができない」
[4]大勢が行動する。大勢出てくる。大挙する。
[例]「『やまだちあり』とののしりければ、里人おこりて出(い)であへば」〈徒然・八七〉
[訳]「『山賊がいる』と騒ぎたてたので、土地の住民は大挙して立ち向かうと」

![]() | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5082195 |