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左右
【さ-う】


[名]

さ-う【左右】(ソ―)


[1]左と右。左右(さゆう)。
[例]「舞台のさうに、楽人(がくにん)の平張(ひらば)りうちて」〈源氏・若菜・上〉
[訳]「舞台の左と右に、雅楽を演奏する人の(ための)平張り(=幕を張って作る仮小屋)を設けて」
[2]あれこれ言うこと。とやかく言うこと。非難。
[例]「九条殿の御ぱからひの上は、さうに及ばず」〈平家・四・還御〉
[訳]「九条殿(=九条兼実(かねざね))のお取りはからいであるからには、あれこれ言うことはできない」
[3](あれこれの)指図。指示。命令。
[例]「刀の実否(じっぷ)について、咎(とが)のさうあるべきか」〈平家・一・殿上闇討〉
[訳]「刀が本物か偽物かによって、罪にするかどうかの指示があるべきではないか」
[4](あれこれの)ようす。状況。
[例]「軍(いくさ)のさうをまつとみるはひがことか」〈平治・中〉
[訳]「戦いの状況を待っていると見るのは誤りか」
[5](あれこれの)知らせ。音信。便り。
[例]「そのさうを今や今やと待ちけるところに」〈太平記・八〉
[訳]「その知らせを今か今かと待っていたところに」




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5083468