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自然
【し-ぜん】


<一>[名]<二>[副]

<一>物事の本来の性質。本性。
<二>


[1]万一。もしも。
[例]しぜんの事のあらん時、物の具して頼朝(よりとも)が乗るべき馬(むま)なり」〈平家・九・生ずきの沙汰〉
[訳]万一の事態が生じるような場合に、武装して源頼朝が乗るはずの馬だ」
[2]ひとりでに。おのずから。
[例]「されど、しぜんに宮仕へ所にも、親・同胞(はらから)の中にても、思はるる思はれぬがあるぞいとわびしきや」〈枕草子・世の中になほいと心憂きものは〉
[訳]「そうではあるが、おのずから宮仕えする所でも、親や兄弟姉妹の間でも、愛される人と愛されない人があるのは、とてもせつないなあ」
<参考>中世では、<二>の[2]の意味では呉音で「じねん」と読まれた。




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5084903