後方
【しり-へ】
[名]
しり-へ【後方】(―エ)
[1]後ろ。後ろの方。
[例]「
しりへの山に立ち出(い)でて京の方(かた)を見給ふ」〈源氏・若紫〉
[訳]「(光源氏は)
後ろの山に出かけて、都の方角をご覧になる」
[2]競技や物合わせで、左右二組に分かれた競技者の右方の組。
[例]「幼き人、
しりへのかたにとられて出(い)でにたり」〈蜻蛉・中〉
[訳]「幼い人(=藤原道綱(みちつな))は、(宮中の弓の試合の射手として)
右方の組の方に選ばれて出場している」
 | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5085840 |