100辞書・辞典一括検索

JLogos

24

裏表
【うら-うへ】


[名]

うら-うへ【裏表】(―ウエ)


[1]裏と表。
[例]「墨の、いと黒う、薄く、くだりせばに、うらうへ書き乱りたるを」〈枕草子・今朝はさしも見えざりつる空の〉
[訳]「(手紙の文字の)墨(の色)が、たいへん黒く(=濃く)、(また)薄く、行間を狭くして、裏と表に書き散らしてあるのを」
[2]相対する両面。両側。上下。前後。左右。
[例]「二人をうらうへに置きてこそなぐさみつるに」〈平家・一二・六代〉
[訳]「二人(=平維盛(これもり)の若君と姫君)を左右に置いてこそ心が慰められてきたのに」
[3]反対。あべこべ。
[例]「祭の日はうらうへの色なり」〈栄花・殿上の花見〉
[訳]「賀茂(かも)の祭の日は、(襲(かさね)の色づかいが、ふだんとは)反対である」




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5089833