別れ路
【わかれ-ぢ】

[名]
わかれ-ぢ【別れ路】(―ジ)
[1]人と別れて行く道。また、死に別れていく道。
[例]「◎糸によるものならなくにわかれぢの心細くも思ほゆるかな」〈古今・羇旅・四一五〉
[訳]「◎(道とは)糸により合わせる(細糸のような)ものではないのに、人と別れて行く道は(その細糸のように)心細く思われることよ」
[2]別れること。別離。特に、死に別れること。死別。
[例]「御臨終の御時、わかれぢにまよひしも、やるかたなくぞおぼえける」〈平家・灌頂・女院死去〉
[訳]「(女院(にょういん)の)ご臨終のとき、(おそばの人たちは)死別に(あたって)心を乱したが、思いを晴らす手立てがなく思われた」

![]() | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5090038 |