さわ・ぐ
【さわ・ぐ】

[自][ガ四]が/ぎ/ぐ/ぐ/げ/げ
((上代は「さわく」))[1]やかましい声や音を立てる。騒がしくする。
[例]「◎み吉野(よしの)の象山(きさやま)の際(ま)の木末(こぬれ)にはここだもさわく鳥の声かも」〈万葉・六・九二四〉
[訳]⇒みよしののきさやまのまの…〔〔和歌〕〕
[2]忙しく動き回る。忙しく立ち働く。奔走(ほんそう)する。
[例]「◎あしひきの山にも野にもみ狩人(かりびと)さつ矢手挟(たばさ)みさわきてあり見ゆ」〈万葉・六・九二七〉
[訳]「◎山にも野にも、天皇の狩りに仕える人たちが、狩猟に用いる矢を手ではさんで持って忙しく動き回っているのが見える」
<参考>用例中の「あしひきの」は「山」にかかる枕詞。
[3]平静さを失う。動揺する。あわてる。
[例]「但馬(たぢま)すこしもさわがず、あがる矢をばついくぐり」〈平家・四・橋合戦〉
[訳]「但馬(=僧の名)は少しも平静さを失わずに、上の方に飛んで来る矢を(身をすくめて)ひょいとくぐり(抜け)」
[4]評判が立つ。あれこれとうわさする。
[例]「このさわがれし女の兄(せうと)ども」〈大和・一六八〉
[訳]「この評判を立てられた女の兄たち」
[5]騒動が起こる。
[例]「小松殿にさわぐことありと聞こえしかば」〈平家・二・烽火之沙汰〉
[訳]「小松殿((=平重盛(しげもり))の家)で騒動が起こることがあるとうわさされたので」

![]() | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5105881 |





