100辞書・辞典一括検索

JLogos

46

なぜ三がつく言葉が多いのか


「石の上にも三年」「仏の顔も三度」「三日坊主」と、三がつく言葉をよく目や耳にしますが、これには意味があるのでしょうか。
遠い昔、中国では三という数字は「天、地、人」をあらわしていました。つまり、三は森羅万象、この世のすべてをあらわす数字だったのです。また、三は参に通じ「混じること」という意味もあります。
このように三には特別な意味があったため、数々の言葉が生まれ、それが日本に伝わってきたというわけ。
参考までに、三のつく言葉で有名なものを紹介しましょう。
(1)三顧の礼……三国時代、蜀(しよく)の劉備(りゆうび)が諸葛孔明(しよかつこうめい)を三度も訪ね、ついに軍師として迎えることができたという故事から、目上の人が礼を厚くして賢人に仕事を頼むこと。
(2)世界三大珍味……フォアグラ、トリュフ、キャビア(最近では、珍味とまでは呼べないような気が……)。
(3)世界三大美女……クレオパトラ、楊貴妃(ようひ)、小野小町。
(4)三人寄れば文殊の知恵……たとえ愚かな者でも、三人集まって相談すれば、文殊菩薩(ぼさつ)のような知恵が出るという意味。
(5)三つ子の魂百まで……小さいときからの性質は年をとっても変わらないというたとえ。
(6)三寒四温……三日ほど寒い日が続いた後に四日ほど暖かい日が続くこと(日本では春先に使われますが、本来は中国北東部で冬の気候をあらわす言葉です)。




角川学芸出版
「花マル雑学塾」
JLogosID : 5145023