「自由を、さもなくば死を!」がキャッチフレーズの州

アメリカは州の独立性が高く、同じ国なのだろうかと思うほど、州によって法律や税制度が異なります。
たとえば「ポーツマス条約」が締結されたポーツマス市のあるニューハンプシャー州には消費税がありません。そのため、州境には巨大なショッピングモールが並び、隣接する州からやって来る買い物客でごった返しています。
もうひとつニューハンプシャー州でユニークなのが「自由を、さもなくば死を!(Live Free or Die)」という、ちょっと過激な言葉を州のキャッチフレーズにしていること。しかも同州では、これを自動車のナンバープレートに掲示するのを、つい最近まで州法で義務づけていました。
あるとき、同州に住むメイナード氏は、「自分の考えと合わない」としてナンバープレートのこの言葉を隠して走っていたため、逮捕され、一五日間の禁固刑を受けました。これに腹を立てたメイナード氏は、州法の差し止めを求めて連邦裁判所へ提訴しました。
その結果、連邦最高裁は訴えを認め、ニューハンプシャー州に対して、ナンバープレート上のモットーを隠しているドライバーの逮捕を禁じました。
とはいうものの、いまだにニューハンプシャー州のナンバープレートには「Live Free or Die」という言葉が掲示されています。

![]() | 角川学芸出版 「花マル雑学塾」 JLogosID : 5145058 |