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雨の時には走った方が濡れない?


突然雨が降り始めたとき、走りますか、それとも歩きますか。ほとんどの人が走り出しますが、でも、必死に走れば走るほど雨が激しくあたり、よけいに濡(ぬ)れているような気がしませんか。歩けば濡れるのは頭と肩だけですから、こちらの方が濡れ方が少ないような気が……。実際にはどちらが濡れないのでしょうか。
実は、この素朴な疑問にマジメに取り組んだ研究者がいました。一九九五年、イギリスのリーディング大学の研究チームがまず答えを発表。彼らが導き出した計算結果によると、「歩いても走っても濡れる量は同じ」とのこと。
しかし、この計算結果に疑問を抱いたのがアメリカ国立気候データセンターの気象学者たちでした。実はリーディング大学では、歩く速度を時速一〇キロ以上と仮定していたのです。アメリカチームは歩く速度を時速五キロ(これでも早歩き)、走る速度を時速一四・五キロと設定し直して再計算した結果、走った方が濡れないという結論が出ました。ちなみに詳細は次のとおりです。
(1)普通の雨のなかを一〇〇メートル歩いた場合、走ったときよりも濡れる量は一六パーセントも多くなる。
(2)土砂降りのなかを歩いた場合、全身ずぶ濡れになるが、前かがみになって走ったときに濡れるのは主に頭と背中で、体の正面はあまり濡れない。濡れる量も走ったときに比べると、歩いたほうが三六パーセントも多い。
やはり、雨の時は走るにかぎるようですね。




角川学芸出版
「花マル雑学塾」
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