コンビニには虫が集まらない理由

部屋の電気をつけたまま窓を開けていると、たくさん虫が入ってきます。窓を閉めていても、窓ガラスには虫が群れをなしています。
ところが、真夜中まで煌々（こうこう）と電気をつけているコンビニに虫がたかっているのを見たことがないと思いませんか。店はガラス張りですし、店内の光量もかなりのもの。にもかかわらず、なぜ虫が近づかないのでしょう。
コンビニの店内で使われている蛍光灯には、虫が集まらないように、特殊なフィルターが取り付けられているためです。
昆虫は、光に集まってくる「走光性」という習性を持っています。昆虫が感知できるのは、三〇〇～五〇〇ナノメーターの光で、そのピークは三六〇ナノメーターの紫外線といわれています。コンビニ店内の蛍光灯には、昆虫が感知するその帯域の光をカットする「紫外線カットフィルター」が取り付けられているのです。つまり、私たちには眩（まぶ）しく思えるコンビニの照明ですが、虫たちには真っ暗にしか見えないのです。
市販の蛍光灯に取り付けるだけで防虫効果を発揮するそうですから、虫に悩まされているときは試してみてはどうでしょう。

角川学芸出版 「無敵の雑学」 JLogosID : 5155173