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花粉予報ってこんなに大変!


毎年、春ともなれば、全人口の一〇%、人口が密集している都市部などでは二〇%以上の人が花粉症に悩まされているといわれます。
花粉症を引き起こすのは、空中を漂っているスギやブタクサなどの花粉です。自衛するには、こまめに毎日の天気と花粉予報をチェックすることが欠かせません。
さて、花粉に関する情報が出されるようになったのは一九八七年からのことで、日本気象協会気象情報部が出した「スギ花粉の飛散開始日予測」と「花粉予報」がそれです。スギ花粉の一日あたりの飛散数を予測し、四つの段階に分けて発表しています。一平方センチあたり〇~九個が「少ない」、一〇~二九個が「やや多い」、三〇~四九個が「多い」、五〇個以上が「非常に多い」というのが基準です。
この花粉の個数、ハイテク時代の今ならば機械が自動的に調べているのかと思うところ。ところが、実際に行われているのは「ダーラム法」といって、空中の花粉をワセリンをぬったプレパラートで集めたものを、顕微鏡で見ながら一つひとつ数えて観察しているのです。これに気象条件を加味して出すのが「花粉予報」というわけです。
ダーラム法には観察者の経験によって誤差が出る、計測に多くの労力が必要といった弱点があり、現在は大学や企業の研究グループがコンピュータを使った自動計測システムの開発に取り組んでいます。




角川学芸出版
「話を盛りあげる究極の雑学」
JLogosID : 5180005