塩分をとりすぎると高血圧になるってホント？

日本人はビタミンやミネラルに比べて、塩分の摂取量が多いといわれます。食品関係の本を見ると、決まって塩分の取りすぎは高血圧のもとと書いてありますし、厚生労働省も塩分摂取量は一日に一〇グラム以下にしましょうと指導しています。
ところが、一九八七年と八八年に行われた塩分摂取量に関する調査では意外な結果が出ています。これは世界の三二か国五二の地域で行われたもので、そこに住む住民の尿を集めて分析し、塩分の量を測定しました。すると、塩分の摂取量と高血圧との間には特に関係はないという結果が出たのです。
では、塩分のとりすぎは体に悪いというのはウソだったのでしょうか？
もちろんウソというわけではありません。しかし、人間には塩分をとると血圧が上がりやすい人と、それほど上がらない人がおり、どちらかというと上がらない人の方が多いのです。さらに、食塩以外の栄養素、特にカリウムやカルシウム、マグネシウムなどをバランスよくとっていると食塩をとっても血圧が上がりにくいという事実もあります。これらの栄養素には血圧を下げる働きがあるからです。
すでに血圧が高い人や塩分をとると血圧が上がりやすい人を除いては、塩分のとりすぎに過敏になる必要はありません。しかし、食事をするときには、バランスよく栄養をとることが大事なのは確かです。

角川学芸出版 「話を盛りあげる究極の雑学」 JLogosID : 5180353