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正岡子規が野球殿堂入り!?


二〇〇二年一月一一日、(財)野球体育博物館は、明治の俳人・歌人の正岡子規の野球殿堂入りを発表しました。でも、どうして? と思った人も多かったのではないでしょうか。
正岡子規は、大の野球好きで知られています。「まり投げて見たき広場や春の草」「草茂みベースボールの道白し」など、野球を題材にした数々の俳句を残しております。
子規は、ペンネームにも、自分の幼名の「のぼる」をもじって「能球」、「野球(のぼーる)」などと野球を連想させるようなものを使用していました。
ただし、ときどき耳にする「子規がベースボールを野球と翻訳した」というのは、間違いとされます。ベースボールを野球と翻訳したのは、明治二七年に中馬(ちゆうま)庚(かのえ)によるといわれています。(実は、子規はこれより前に「野球」をペンネームにしていましたが……)中馬の方は、子規より先に、すでに野球殿堂入りを果たしています。
子規の方はというと、新聞記者当時に「打者」「走者」「死球」などの言葉を翻訳したことや、先のような俳句で野球を一般大衆に広めた功労を評価されたことによるものです。
ちなみに、子規は、新たに設けられた「新世紀特別表彰枠」による殿堂入りです。




角川学芸出版
「話を盛りあげる究極の雑学」
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