「ご厚志お断りします」と通知されたら?

葬儀やお別れの会の通知に「ご厚志お断りします」とあったときに、もっとも適切な態度は次のうちどれでしょうか。
(1)供物や供花は贈らず、香典だけを持参する
(2)供物あるいは供花を贈り、香典も持参する
(3)供物も供花も贈らず、香典も持参しない
答えは(3)です。もし案内に「ご厚志お断りします」と明記してあったら、香典も供物も必要ないという意味です。何も持参しなくてもかまいません。気が引けるかもしれませんが、「ご厚志ご辞退」は故人の遺志の場合も多いので、先方の希望を尊重しましょう。
まぎらわしいのが、「供花、お供物の儀は辞退させていただきます」とあった場合です。この場合は「供花」「供物」以外のものは受け付ける、という意味と解釈ができます。つまり、香典は持っていくのが正しいマナーです。
最近は、故人の希望で、宗教にこだわらず、「お別れ会」などとして無宗教の葬儀が行われるケースも増えているようです。
無宗教形式の場合は、読経や焼香などは行われず、故人が好きだった音楽が流されたり、司会者が式の進行を務めるなど、自由な形式で行われます。故人が愛した高原や海などで開催されるケースもあります。
これらの儀式では、多くの場合「献花」が実施されるようです。あまり形式にとらわれる必要はありませんが、キリスト教の献花のしきたりに従って行うといいでしょう。
どんな服装で行けばいいか、香典はどうしたらいいか、はっきりとした指定がなければ一般的な葬儀・告別式と同じと考えていいでしょう。香典を用意し、喪服を着用します。

![]() | 角川学芸出版 「社会人のマナー188」 JLogosID : 5190155 |