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謙虚すぎる態度はかえって失礼


何人かで話をしていると、どんな話題にも「私は……」「私なら~」「僕の経験では」などと、自分の話を持ち出す人がいます。人が話している途中でも、かまわず自分のことを話し始めるようでは、楽しい会話を続けることはできません。
何かにつけて自分を主張するのは、いつも話題の中心に自分を置いておきたい、という自己顕示欲を丸出しにした行為です。
会話は、自分ひとりを主張する場ではないのですから、相手が話しているときには上手に耳を傾けてしっかりと聞いてあげることが大事です。
「本当に話上手な人は、聞き上手な人」とよくいわれます。相手の話を聞いて、その上で自分の意見を述べる。そういったやりとりができてこそ、会話を楽しむことができるのです。
何かにつけて、「自分は」「自分が」と自慢話をする人は嫌われます。なるべく自分のことはひけらかさず、控えめにするのが日本式のマナーです。
しかし、いつも控えめにしていればいいのかといえば、そうとも限りません。自分を謙遜(けんそん)しすぎるのも、かえって相手に不快な思いをさせます。
相手に誉(ほ)められたときには、「とんでもない」と否定するよりも、素直に「ありがとうございます」とお礼をいったほうがスマートです。
「私ごときには」「私みたいなものが」などと卑下しすぎると、厭味(いやみ)っぽくなるのでやめましょう。




角川学芸出版
「社会人のマナー188」
JLogosID : 5190166