宇宙は吾に在り方丈の中に八万四千の大衆を容れて息の出来ぬ程に窮屈にもあらず
【名言名句】
宇宙は吾に在り
方丈の中に八万四千の大衆を容れて息の出来ぬ程に窮屈にもあらず
【解説】
宇宙は、自分の頭の中にあるという。一丈四方、たった畳四枚半の小さな部屋に、めちゃくちゃに多数の人を詰め込んでも息ができないほど窮屈ということもない。それというのも、宇宙は自分自身の頭の中にあって、限りある境や柵があるわけではないからという。
しかし、「吾頭脳を取りてこの宇宙に置けば、これはまた頭脳の小ささよ」という。無限大の宇宙を詰め込んだ頭脳も、宇宙に置いてみれば微々たるものだと嘆く。
【作者】正岡子規
【生没年】1867~1902
【職業】俳人・歌人
【出典】『松羅玉液』
【参考】子規は結核から脊椎カリエスを患い、自宅療養を続けた。四畳半の部屋が子規の全宇宙だった。そこで書かれた『墨汁一滴』、『仰臥漫録』『病牀六尺』は病床三部作とよばれる。『病牀六尺』は死の二日前まで書きつづけられた。
| あすとろ出版 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450450 |