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物事は両面からみるそれでは平凡な答えが出るにすぎず智恵は湧いてこないいまひとつ、とんでもない角..


【名言名句】
物事は両面からみ
るそれでは平凡な答えが出るにすぎず智恵は湧いてこないいまひとつ、とんでもない角度--つまり天の一角から見おろすか虚空の一点を設定してそこから見おろすか、どちらかしてみれば問題はずいぶんかわってくる

【解説】

 人が物事に対処するとき、まず自分の側から見る。これが一面である。続いて、慎重を期して相手(向こう)側からも見てみる。これで両面である。このうえで行動すれば大過なく対処できるはずである。だが、司馬は長宗我部元親に「両面では足りない。天の一角から見おろすか、虚空の一点を設定してそこから見おろ」してみよ、といわせている。
天の一角から見るとは、神仏の目で見よ、ということである。人に先んじる非凡な発想は、このようにして生まれるのかもしれない。
【作者】司馬遼太郎
【生没年】1923~1996
【職業】作家
【出典】『夏草の賦』
【参考】司馬遼太郎は多くの歴史小説を書いたが、その中でも、戦国時代、幕末、明治時代を扱った小説が多い。『夏草の賦』(一九六八年)は、土佐の小土豪だった長宗我部元親が幾多の苦難の末に四国をほぼ手中にし、やがて豊臣秀吉の軍門に降るまでを描いた作品である。この言葉は、土佐統一ののち、阿波へ攻め入ろうとした元親の計画に対し、時期尚早だと反対する部下の武将たちを納得させる場面で語られている。司馬は『戦雲の夢』(一九六一年)で、元親の四男で秀吉の死から徳川幕府成立までの時代を生きた長宗我部の最後の武将|盛親も描いている。 




あすとろ出版
「名言名句の辞典」
JLogosID : 5450473