誠実はわれわれにとって、人生を生きぬくための能力としての知恵でなければならぬ。シニックな誠実、..
シニック:冷笑的。皮肉なさま
【名言名句】
誠実はわれわれに
とって、人生を生きぬくための能力としての知恵でなければならぬ。シニックな誠実、青白い陰気な誠実というものもあるかもしれない。しかし概していえば、誠実というものはあくまでも快活でなければならぬ
【解説】
誠実とは、人を裏切らない、ということである。真心がある、ということである。この場合の「人」はまず自分のことである。「自分に誠実でないものは、決して他人に誠実ではありえない」(夏目漱石『行人』)のである。この根底には、人間に対する信頼がある。
誠実は人生を生き抜くための知恵である。「誠実にまされる知恵なし」といったのは、イギリスの政治家ディズレーリだった。
政治家の偽証、品質の偽装などが大きな社会問題となっている。自分に対しても、世間に対してもいつも誠実に生きたいものである。
【作者】中野重治
【生没年】1902~79
【職業】作家
【出典】『誠実ということ』
| あすとろ出版 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450483 |