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色内通
【いろないどおり】


小樽市の臨港地区に近接し,小樽運河の背後にある通。直交する山の手通とともに金融機関の立地が多く,かつては北のウォール街と呼ばれた。明治後期から昭和初期の小樽経済の繁栄を支えた企業の重厚な建造物が残存し,小樽運河沿いの石造倉庫群とともに全国的にもまれな歴史的市街地景観を形成。明治後期には南樺太の領有による対岸貿易の拡大と,道東での畑作農業の進展につれて小樽は農産物集散地としての性格を強め,港湾機能と商業機能が拡充した。明治13年の三井銀行の進出を皮切りに,同36年には全国で4番目の店舗として日銀出張所(のちに支店)が開設され,昭和初期には色内町と港町の一部に都市銀行10行と地方銀行1行の店舗が集中。「北海道小誌」によれば明治40年に道内に立地した資本金5万円以上の21銀行のうち7銀行が進出していた。金融機関と並んで税関・手形交換所・商社・海運会社などが立地し,道経済の中心として大きな役割を果たした。戦後は経済活動,行政・文化の機能が札幌へ移行し,昭和36年頃から都市銀行の撤退が始まり,現在は日本銀行のほか,本州系の都市銀行では三井銀行がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7000731