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有珠新道
【うすしんどう】


伊達市長和町から有珠山東麓を経て胆振(いぶり)地方壮瞥(そうべつ)町に至る道路。延長約9km。明治4年東本願寺により,オサルベツ(伊達市長和町)から札幌に向けて開削された本願寺道路のうち,初めに着工されたソウベツ(壮瞥町)までを,郡名にちなんで有珠新道と呼ぶ。本願寺道路の多くが完成後10年ぐらいで破壊された中で,海岸から内陸に向かう主要路として長く利用された。幕末の有珠郡は幕府の官寺として善光寺が置かれるなど,付近一帯の中心で,明治3年からは近くの紋鼈(もんべつ)(現伊達市街)に仙台藩藩主一門の伊達邦成以下家臣団が移住した開拓先進地であった。南の室蘭は早くから港として利用され,新道開削の開始には,道路用資材や人夫の導入に好都合であった。しかし道路開通以前,一帯には海岸沿いに踏分道が1本通じるのみで,内陸へは川伝いに行く外なかった。現在は主要道道伊達洞爺線として有珠山や昭和新山へのコースともなっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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