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宇登呂港
【うとろこう】


網走地方斜里町の北東部にある第4種漁港。知床(しれとこ)半島の西岸中央部に位置し,オホーツク海に面する。知床半島周辺はサケ・マスその他の漁場で,斜里・網走など地元漁民の有力な出漁地であった。知床半島西岸は断崖が海に迫り,沿岸には暗礁も多く,岩山の宇登呂岬に保護された静かな入江と,背後にわずかな平地のあるこの地は唯一の漁業根拠地とされ,定着者も出た。昭和33年道道ウトロ線(現国道334号)の開通により,バスが斜里~宇登呂間に運行されるまでは,海路漁船に便乗するほか近づけない陸の孤島であった。昭和39年知床半島が国立公園に指定されると,最果ての地として人気を呼び観光客が増大し,特に海上航行による断崖美,半島先端の知床岬の観光が焦点となり,その拠点としての宇登呂港は漁港整備と併せ,観光船運航のため,防波堤・船付場などの施設が整った。冬季は流氷に閉ざされる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7000904