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江別太遺跡
【えべつぶといせき】


江別市東野幌に所在する遺跡。続縄文時代が主体で,石狩川支流の千歳川の標高約4mの氾濫原面に位置し,石狩川との合流点から約2km上流右岸の低湿地泥炭地帯に立地する。昭和53年北海道縦貫自動車道江別太橋の橋脚工事中に偶然に発見された。同年江別市教育委員会が事前調査を実施。遺物包含層は,標高1mから-3mの地表面下3~7mにある。包含層は当時の千歳川左岸の湾曲部に当たる。粘土・シルト・泥炭の互層の中で6文化層が形成されていたが,第1文化層は縄文晩期のタンネトーL式土器,第2文化層以降は続縄文時代で,恵山式・後北プレA式・後北A式・後北B式土器の時期のものである。土器は75個の復元完形品を有し,石器約500点,骨角器7点がある。他に類例のない続縄文時代の木製品も出土し,428点の加工痕のあるもののほか,2,000点近い丸太・木片があった。クマの頭が彫刻されたかんざし・鉢・舟形鉢・匙・箸・容器柄・銛先・叩棒・釣竿・たも網柄・弓,丸木舟の櫂,斧柄・楔などの装身具,食膳・厨房具,狩猟具・船舶具・工具がみられ,木製柄がついたままの石製ナイフも出土した。文献には江別市教育委員会「江別太遺跡」(昭和54年),高橋正勝「木製品」(昭和57年,縄文文化の研究6所収)がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7001084