100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

新狩勝トンネル
【しんかりかちとんねる】


上川地方南富良野町と十勝地方新得町の境界にあるトンネル。根室本線と石勝線が共用する。狩勝トンネルの南方約3.7kmに新設され,全長5,648mで全道最長。狩勝トンネルは明治38年完成,同40年から十勝線(現根室本線)の開通とともに利用されてきた。この峠の西側駅落合と東側駅新得間27.9kmは,最急勾配1,000分の25,最小曲線半径181mの難路で,トンネルの老朽化が目立ってきた。輸送力の増強とスピードアップを目的に狩勝トンネル南部に新線建設を計画,落合とその南の上落合間に落合線,また上落合と新得間に,後年開通予定の石勝線の一部として狩勝線を造ることにした。昭和37年4月から落合・新得間に新狩勝トンネルほか10か所のトンネル,橋梁17か所を含む,総延長28.1kmの工事が進められ,最長の新狩勝トンネルは昭和39年8月貫通,同41年9月末から新線として営業を開始した。同時に新線を国鉄根室本線に編入,旧路線は一部の実験線を残して廃止された。これにより落合・新得の新線区間は0.2km延長されたが,最急勾配1,000分の12,最小曲線半径は400mに緩和された。新狩勝トンネルは西口が二股をなし,落合口と,石勝線の占冠(しむかつぷ)方面口に分かれるY字形で,二股基部から新得寄り720mは複線となり,トンネル内に上落合信号場を設けた特殊な形態をとっている(北海道鉄道百年史上・下)。その後石勝線の開通に備えて昭和49年11月から同53年3月までに,トンネル内単線部分126mの複線化工事が行われた(札幌工事局七十年史)。昭和56年10月1日石勝線が開通し,2つの幹線の運行に供されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7004241