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青函トンネル
【せいかんとんねる】


青森県津軽郡今別町浜名と渡島(おしま)地方知内(しりうち)町湯ノ里を結ぶ海底トンネル。世界最長の海底トンネルで,総延長は53.85km,陸上部は本州側13.55km,北海道側17km,海底部23.3km。最急勾配12%で,海底下100m,最大水深140m。トンネル断面は複線新幹線型で,軌道も将来の新幹線使用の含みを残して3線軌道。北海道~本州間が天候に左右されず,乗り換えもせず本州と陸続きになることは,道民の長年の夢であった。昭和21年運輸省内に非公式の津軽海峡調査委員会が設置され,地質調査,ルート選定が進められ,同24年本州側竜飛岬~北海道側白神岬間のルートが決定。昭和28年鉄道敷設予定線として追加され,同29年洞爺丸海難の大惨事が起こったことから,政府は本格的にトンネル建設に乗り出した。昭和46年工事線となり着工,本坑・先進導坑・作業坑の3本が掘られた。断層破砕帯の工事は難航し,異状出水があり,一時は工事中止もあり得ると考えられたが,昭和55年に作業坑・先進導坑,同61年3月には本坑も貫通した。昭和63年には在来線による使用開始の予定。総工費は1兆円ともいわれるが,交通事情は建設開始時と大きく異なり,航空機の利用が一般化したため無用の長物といった議論も出始めている。現在本州側の青森~今別間,北海道側の知内~函館間で取付線の工事が進行中,開業時には青函博覧会の開催が予定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7004487