大門通
【だいもんどおり】

駅前通ともいう。函館市の中心部にある街路。明治40年の大火後，市の西部蓬莱町・台町にあった遊郭が現在の中心部に移った。この遊郭は黒塀に囲まれ，江戸吉原をまねて入口に高さ10mの巨大なコンクリートの門を設けた。そのため付近一帯を大門と呼び，メインストリートを大門通と呼ぶようになった。昭和９年の大火で門は崩壊したが名称は残り，第２次大戦前まで今日の市電の松風町電停は大門前と呼ばれた。昭和９年の大火後，西部の中心商店街に代わってこの通りが中心商店街の地位についた。この通りには市電が走り，これに直交するいくつかの横通りにはそれぞれ小路名が付され，飲食店が立ち並ぶ。最近一帯は，現町名の松風町とか駅前通と呼ばれることが多くなった。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7004704