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館野
【たての】


(近代)昭和10年~現在の行政字名。はじめ上ノ国村,昭和42年からは上ノ国町の行政字。もとは上ノ国村大字石崎村の一部。地名は,地内に長禄元年陥落した比石館跡があることによると思われる。昭和14年かつての早瀬木工場付近にベニヤ工場が建設され,昭和12年操業をはじめていた太陽ベニヤはこれを買収,同17年には軍需工場の指定を受け松下電器の下請工場となった。のちに日本航空機工業(日本レーヨン)の下請工場に切り換え,太陽航機工業愛国162工場と名付けられ,道内でははじめて航空機用単板を製材した。第2次大戦末期,この製材に江差高等女学校・函館工業の学徒50名が動員され,その他,民間人が400人余り動員された。昭和21年製品を納めていた岡崎航空機材からの資金が打ち切られると独自で操業していたが,同22年閉鎖した。工場の跡地は樺太(からふと)(サハリン)引揚者が結成した道南日本海漁協の基地(現在は閉鎖)になった。同59年従来のトンネル式漁港は,大型船の出入も可能な漁港となった。字石崎を含む世帯数・人口は,昭和11年145・926,同26年261・732,同35年271・1,335,同45年286・1,001,同55年280・904。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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