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狸小路
【たぬきこうじ】


札幌市中央区の南2条と南3条の仲通りにある道内の代表的な商店街。東西の範囲は明確ではないが,現在では西1丁目から西10丁目の1.3kmとされる。札幌本府建設にあたっては町屋割された地域で,開拓使により函館商人の移住が奨励されて,創成川畔に自然発生的に商店が出現した。明治18年には西1・2丁目に勧工場(百貨店の前身)が設置され,狸小路発祥の地となった。当時は現在の1~3丁目には,居酒屋・白首屋といわれる曖昧屋が多く,明治24年の「札幌繁昌記」の「狸小路とは綽名なり,創成川の西側,南二条と三条との間の小路をいふ,この処ろ飲食店とて……一種異体の怪物…各衣裳なりに身体を拵ひ…其の魅力狸よりも上手なれは人々斯くは狸小路となん呼るなり」という記載がその名の由来とされ,1丁目の南北の仲通りは狐小路と呼ばれた。明治25年の大火を契機に次第に飲食店が減少,本格的な商店街の形成がみられ,大正15年には狸小路連合会が結成された。大正14年に試験的に2丁目から4丁目にアスファルト舗装が行われ,スズラン灯の設置による商店街の振興も図られ,昭和12年には狸小路商店街商業組合が結成された。第2次大戦終戦時には200軒あった商店数は60軒余に減少し,闇市が出現したが,その後商店街が整備され,昭和30年には西1~8丁目までで278店舗を数えた。現在は西1~7丁目までの店舗で,狸小路商店街振興組合を結成し,店舗数は190を数える。冬季オリンピックを機に地下鉄が開通したことから札幌駅前にデパート群を中心とした商店街が新たに出現。地下商店街も形成され,狸小路の地位の低下がみられたことから,専門店化・店舗改装・アーケード化などの振興が図られ,3・4丁目では集合店舗化も行われているが,大型店,他商店街との競合は一層強まっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7004877