100辞書・辞典一括検索

JLogos

15

花咲港
【はなさきこう】


正式には重要港湾根室港花咲港区という。根室市の根室半島南岸の花咲湾にある重要港湾。松浦武四郎の「廻浦日記」にも「ハナサキといえる処でも番屋一棟,板蔵四棟雑蔵二棟弁天社一棟有」と記され,例年根室港が流氷により1月下旬~4月上旬に使用不可能になるため「幸にして当地を距る陸路一里半の所に花咲港ありて」(北海旅行記抄)ということから,古くから,根室港の副港として利用された。根室から花咲を通り浜中に至る道路が開削され,明治12年に船舶改所が設置され,同16年には共同運輸会社が冬期間に花咲~函館間の航路を開設してから根室港の補助港としての性格を強めた。埠頭も築設され,明治23年には灯台が設置され,昭和13年に第2期拓殖計画により船入澗が築設された。戦後はサンマ棒受網やサケ・マス流網の進展につれて,厚岸(あつけし)とともに道東における沖合・遠洋漁業の中心基地となった。港湾施設は当初花咲湾の東浜に設置されたが,水揚量の増加により拡充され,西浜地区大型岸壁などが建設され,湾岸一帯が港湾用地となった。昭和53年には根室港区とともに重要港湾に指定された。昭和58年の根室港のイワシ・サンマを中心とする水揚量は14万2,000tで,大半は漁港区としての性格をもつ花咲港に水揚げされ,水産物産地流通加工センターに指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7006793